ここでは、ヘッドマッサージ(頭皮マッサージ)の仕方について解説します。
ヘッドマッサージ
抜け毛を予防するには、頭皮の血行促進が重要です。
頭皮の血行が悪いと、血流が減り、十分な栄養が髪を製造する毛母細胞まで届かなくなり、抜け毛、薄毛の原因となります。
ヘッドマッサージは、頭皮を揉みほぐして血行を促進し、また、頭皮を分厚くして毛乳頭など髪の毛を作り出す機関を大きくしたり可動域を広げる効果が期待できます。結果、抜け毛を防ぎ、太くて強い髪の発毛促進につながりますので、積極的に取り入れることをおすすめします。
毛根に栄養を運ぶ毛細血管は、頭皮とそのすぐ下にある頭蓋骨の間を通っているので、頭皮に力を加えることで血管へストレートに力を加えることができます。
力を加えることにより血管が広がるため、血流がアップし、毛根へ運ばれる栄養が増えると考えられています。
その結果、毛周期の休止期から成長期への移行促進、キューティクル層の肥厚などが起こり、毛髪密度や髪の「ハリ」や「コシ」が高まるという好ましい状態に変化すると考えられています。
大手メーカーの研究結果によると、6カ月間のマッサージ(頭皮を押す)により、毛髪の密度が約6%増加したという報告もあるようですので、髪の毛を太くしてボリュームアップを図りたいといった場合は効果が期待できます。
頭皮はデリケートな場所ですので、間違ったマッサージを行うと、効果がないどころか、頭皮を傷つけたり、痛めたりする原因になります。
以前、ブラシなどで頭皮を叩くマッサージが流行りましたが、程度を誤ると頭皮内の皮下組織を傷つけることになり、かえって薄毛・抜け毛の原因となる場合があるということで最近では推奨されなくなってます。
頭皮マッサージは、入浴時やお風呂上りの頭皮が柔らかくなった状態で行うのが効果的です。育毛剤などを使用される方は育毛剤などを塗布した後のマッサージがより効果的でしょう。
効果的なヘッドマッサージの仕方
基本的には「揉む」と「押す」を組み合わせて行います。「たたく」「さする」は行わない方が無難です。また、「揉む」は「つかむ」という意識で行います。
首を通って流れてくる血液を頭皮全体に行き渡らせるため、後頭部から頭頂部へ、側頭部から頭頂部へ、前頭部から頭頂部へと行っていきます。
以下は効果的なヘッドマッサージのやり方の一つです。
①頭の後ろで両手を組み、両方の親指で首のつけね部分とその周辺を数秒間押しつけます。このあたりは血行を良くしたり、眼精疲労や肩こりを改善するツボが集中している箇所です。その後後頭部に両手の指の腹を当て、円を描くように頭頂部までマッサージをします。5回ほど繰り返します。
②次に側頭部の生え際から両手の指の腹を当て、円を描くように頭頂部に向かってもみ込みます。5回ほど繰り返します。
③さらに前頭部、額の生え際あたりを、前後左右にもみほぐした後、後頭部や側頭部と同じように、頭頂部まで、指の腹でマッサージをしていきます。これも5回ほど繰り返します。
最後に頭頂部の百会のツボ(両耳と鼻の延長線が交わる頭のてっぺん)を押します(数秒間)。百会は、頭痛や不眠、肩こりや二日酔い、目の疲れや自律神経の改善にも効果があるとされ、頭皮の血行・代謝を促進することから抜け毛防止にも効果があるとされています。
これを、1度に1~3回、時間にして1回3~5分程度行うのが一つの目安です。入浴時のシャンプー後や就寝前などに行うのが理想ですが、毎日短時間でも続けて行うことが大切です。
シャンプーの中には、シャンプーの泡で数分間の泡パック、ヘアパックを行うことを推奨しているものもありますのでその時間を利用してマッサージを行っても良いでしょう。
注意しないといけないのは泡パックやヘアパックを推奨していないシャンプーではマッサージを行わないことです。基本的にシャンプーは化学成分や添加物など頭皮に刺激になるものが含まれていますので泡パックやヘアパックを推奨しているシャンプー以外ではマッサージは行わないのが無難です。
マッサージの仕方は様々で、上記はそのやり方の一つです。
他のやり方でも揉んだり押したりするマッサージは一般的に有効ですが、注意点として爪を立てないことです。
爪を立てると頭皮を傷つけ、フケや炎症の原因となり、頭皮にいいどころか悪影響を与える結果となってしまいます。また、マッサージのやりすぎで頭皮の温度が上昇したり水分や皮脂が失われると、それを補おうと皮脂が過剰に分泌されてしまう可能性がありますので注意が必要です。
継続は力です。