自毛植毛といってもそのやり方はクリニックによって様々です。
ここでは自毛植毛の基本的なやり方・方法について解説します。
自毛植毛のやり方
一般的な自毛植毛のやり方とその流れは以下の通りです。
カウンセリング
まずは、ホームページからのメールや電話でカウンセリング(診察)の日程を決めます。
通常は完全予約制です。カウンセリングは、プライバシーを考慮し、他人と顔を合わせることがないよう配慮されている場合が殆どです。
カウンセリング当日は、クリニックで自分の薄毛の状態をしっかり確認してもらいながら、自分の希望と医師のアドバイスをもとに植毛する箇所や移植する株数(グラフト)などを決めていきます(移植後のデザインのプランニング)。
カウンセリングは、移植する株数(※)を判断してもらったり、また、自分も植毛によってどのような毛髪の状態になるのか、費用はどれくらい発生するのかを確認するために必ず必要です。
気になる点や不安な点があれば、納得がいくまで医師に相談します。
カウンセリングは一般的に無料です。
※株とは移植する毛包の単位です。グラフトまたはドナーと呼んだりします。1株には1~3本の髪が生えています。
植毛後の状態や費用に納得がいき手術を希望する場合は、
- 具体的な手術の手順
- 手術前と手術後の生活の仕方の説明
- 副作用の説明
- 治療費の説明
などが行われ、血液検査が行われます。
カウンセリング当日にいきなり手術に移ることはありません。
自毛植毛の仕組み・手術の流れ
自毛植毛は、自分の髪の毛を移植したい箇所に移植する手術です。
AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、移植したい部分に移植します。
移植は大きく、
- 後頭部・側頭部からドナーの採取
- 採取したドナーを移植部分へ植え付け
という手順で行われます。
自毛植毛の手術は基本的に日帰り手術です。
手術を行う間は患者の術中の痛みを和らげるため、局部麻酔や点滴による麻酔が行われます。クリニックによっては、精神安定剤などが併用されるところもあります。
ドナー(株・グラフト)の採取
洗髪と消毒などで頭皮を清潔にしてから、手術はまず、移植用のグラフト(株)を後頭部から採取するところから始まります。
一般的にはグラフトが採取しやすいように毛髪はバリカンなどで刈られます。
グラフトは毛包単位で採取されますが、このやり方には大きく、
- 頭皮を帯状に皮膚毎採取してそれを株分けする方法(FUT)
- パンチやロボットを使って1つ1つのグラフトを直接くりぬく方法(FUE)
があり、クリニックによってマチマチです。
また、グラフトの採取は、医師の手でやるやり方のほかARTASという機械(ロボット)によるやり方もあります。
参考:グラフトの採取の方法
株分け
採取されたドナーは、移植に適する単位に分けられます(株分け)。
ドナーは1つの毛穴から1本の毛が生えているものもあれば2本、3本生えているものもあります。
移植先と移植するドナーのバランスを図るためにも株分けの工程が設けられています。
ドナーの植え付け
採取して株分けされたグラフトは、スリット法やホール法、またはクリニック独自の技術で予めデザインされた移植部分へ植え付けされます。
簡単に言えば、いずれも移植する部分(頭皮)に小さな穴をあけ、特殊なピンセットなどで採取したドナーをを植え付けていく方法です。
手術を終えて
植毛は、移植する本数にもよりますが、メスを使用するFUT法であっても殆どの場合、半日から1日で終了します(日帰り手術で済みます)。
手術時間が長くなるような大量本数の移植の場合は、日を改めて(一定期間を開けて)手術が行われる場合があります。
植え付けられたドナーは時間とともに頭皮に馴染み、不思議なことに血液から栄養と酸素をもらうようになって他の髪の毛同様、成長し、抜けてはまた生えるを繰り返すようになります。
後頭部の毛根などAGAの影響を受けない毛根が植え付けられていますので、再度薄毛になるといったことも殆どありません。
逆に、移植した髪の毛は長期間に渡り元気な髪で生えてきますので、他の部分のAGAによる薄毛が進むと返って毛髪のバランスが悪くなることもあります。
そのため、多くのクリニックでは、将来起こりうるAGAの影響を加味しながら植毛のデザインプランニングを行います。
自毛植毛の手術後は髪の毛を頭皮に定着させることが重要です。
激しい運動や飲酒、入浴など、日常生活においてしばらく注意しなければならない点の説明をしっかり受け、そのまま帰宅できます。
尚、手術後は微量ですが頭皮からの出血がありますので頭に包帯が巻かれます。
包帯の上からニット帽などをかぶり、クリニックを後にします。