ここでは、女性ホルモンと薄毛の関係について解説しています。
女性ホルモンとは?
女性ホルモンには、
- 卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)と
- 黄体から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)
の2種類があります。
これら2種類のホルモンは、約28日のサイクルでそれぞれ分泌量を変化させ、女性のカラダと心のバランスを保っています。
エストロゲンの働き
主に卵巣から分泌されるエストロゲンは、思春期から分泌がはじまり、乳房を発達させたり乳腺の発達を促したりします。
排卵前の子宮内膜の増殖期に分泌量が増加し、受精卵が子宮に着床する準備を促し、妊娠しやすいようにします。
一方で、エストロゲンは、丸みをおびた女性らしい身体をつくったり、髪の毛に関しても艶のある美しい髪をつくるよう働きかけます。
美肌をつくる働きがあることから美肌ホルモンと呼ばれることもあります。
このエストロゲンは30代をピークに減少していき、更年期である40代から50代頃に閉経後しばらくして分泌を終了させます。
エストロゲンが減少すると乳腺の発達が止まったり、肌や髪の毛の艶がなくなり抜け毛が多くなったりします。
このようにエストロゲンは、艶のある美しい髪の毛の製造と深くかかわっており、裏を返せば薄毛とも密接にかかわっています。
この他にもエストロゲンの減少は、自律神経が乱れたり、認知症のリスクが上がったり、また骨粗しょう症のリスクが高くなるといったことを引き起こす原因にもなると考えられています。
プロゲステロンの働き
主に黄体から分泌されるプロゲステロンは、子宮内膜を厚くしたり、体温を上げたりと、妊娠の継続をサポートする女性ホルモンです。
月経前などプロゲステロンの分泌量が多い時期は、身体の調子も悪くなり、イライラしたり憂鬱になったりする場合があります。
育毛に関する働は、基本的にはエストロゲンに関係していますが、プロゲステロンもエストロゲン同様、髪の成長期を延長させる働きがあり、髪の毛の寿命が長くなり、抜け毛が少なくなると考えられています。
女性ホルモンと薄毛の関係
このように、女性ホルモンは、薄毛と密接に関わりがあります。
それが顕著に表れるのが更年期や出産後です。
更年期になると、女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、それとともに髪の毛に艶が無くなり、酷い場合は、FAGA、びまん性脱毛症へと進行していきます。
出産後の脱毛症(産後脱毛症)も妊娠をして増加していた女性ホルモンの分泌量が出産すると急激に減少することで発症します。
また、ピルを服用している場合は、服用を止めたとたん抜け毛が増える場合があります。
これは、ピルの中には、エストロゲンとプロゲステロンに似た成分を含んだものがあるためで、服用後、これが一気に減少することで髪の毛が抜け落ちるというものです。
産後脱毛症やピルの服用中止による脱毛症は時間が経ってホルモンバランスが落ち着くと抜け毛も治まりますが、更年期やストレスなどによるホルモンバランスの乱れによる場合は、何らかの対策は必要になってきます。
女性ホルモン分泌の正常化が女性の育毛のカギ
これらのことからもわかるように女性の薄毛は女性ホルモンが深く関わっています。
女性の薄毛として最も多いと言われているFAGA(びまん性脱毛症)も更年期などに起こる女性ホルモンの分泌量の低下によるものと考えられています。
このようなメカニズムもある程度判明しているところから、女性用のシャンプーや育毛剤、育毛サプリメントといったものには、女性ホルモンと同じような働きがあるとされる成分を配合しているものが多く見られます。
特に、グリチルリチン酸や大豆エキス、エクオールといった成分は女性ホルモンに似た作用があるため多くの女性用シャンプーや育毛剤、育毛サプリメントに配合されています。
参考:女性用育毛シャンプー
参考:エクオール