髪の毛は、ずっと生え続けている訳ではなく、髪の毛独自のヘアサイクルで生えては抜けるを繰り返しながら生え続けています。
健康な髪の毛は生えると2年から6年という成長期を経て、退行期・休止期へとシフトし、抜け落ちます。
1本1本がこのヘアサイクルで生えては抜けを繰り返しており、毛髪のおよそ80%~90%が成長期の段階にある髪の毛とされています。
しかし、何らかの理由でヘアサイクルが乱れると、髪の毛は十分な成長をしないまま、細くて短いまま退行期・休止期にシフトして抜け落ちてしまいます。
ヘアサイクルが乱れる原因
ヘアサイクルが乱れる原因として最も有名なものがAGA(男性型脱毛症)です。男性の薄毛の原因の実に90%以上がこのAGAと言われています。
健康な髪の毛であれば2年から6年間は太く長く伸び続けますが、AGAを発症してしまうと、その影響を受けて毛母細胞の細胞分裂の活動が弱まり、退行期・休止期へとシフトして抜け落ちてしまいます。
普通の抜け毛は、十分な成長期の期間を経て抜け落ちますので太くて長いのですが、AGAを発症してしまうと、十分な成長期を経る前に抜け落ちるため、細くて短いのが特徴です。
また、本来は成長しているはずの髪の毛が抜け落ちる訳ですから、抜け毛の本数も通常より多くなります。正常な場合は、1日に50本~100本ほど抜けるとされていますが、AGAを発症するとそれ以上の抜け毛の本数になります。
抜け毛の本数が平均を上回る時期が続くと髪の毛が減少し、頭皮の地肌が目立つようになってきます。
抜け毛が確認できるのは殆どがシャンプー時やブラッシング時、朝起きた時の枕元ですが、実際は風に飛ばされたり、床にヒラリと落ちたりして本当の1日の抜け毛の本数を把握するのは困難です。
個人差もありますので一概には何本以上の抜け毛が危険信号とは言えませんが、シャンプー時の抜け毛が、
・いつもの抜け毛の本数より多くなってきた
・抜ける髪の毛がいつもより細くなってきた短くなってきた
と感じるようになってくるあたりが危険信号と考えていいかもしれません。
場合によっては、目視では確認することが困難なほど細くて短い髪の毛もありますので注意深く確認する必要があります。
実は女性も例外ではなく、同じような事象が起こる場合があります。
女性の体内にも男性ホルモンが存在し、加齢や更年期などで女性ホルモンが減少すると男性ホルモンが優位になり、男性のAGAの場合と似たメカニズムで抜け毛が起こるといった事象もあります。
細くて短い抜け毛はAGAのサイン
このようなことから、細くて短い状態で髪の毛が抜ける状況が続いてくるとAGAのサインである可能性が高くなります。
逆にヘアサイクルを正常化し、成長期の期間をできるだけ長くすることが髪の毛を太くする一つの方法にもなります。
参考:髪を太くする方法
通常、AGAは緩やかに進行しますので、細くて短い髪の毛の抜け毛が突然大量に発生するということは考えにくいのですが、細くて短い抜け毛が増えてきたと感じられればAGAを疑ってみる必要があります。
AGAは早めの対策が有効
AGAの疑いが濃厚になってきた場合は早めの対策を打つことが重要です。
何故ならAGAは進行型で、そのまま放置しておくと進行が進み、対策を打つにも手遅れになってしまう場合があるためです。
病気と同じようなもので、初期段階で対策を打つことで症状を遅らせたり和らげることができるのです。
親が薄毛で自分に将来の薄毛が心配といったような場合は育毛シャンプーの活用、抜け毛が増えてきた、地肌が少し気になるようになってきた、と感じたら育毛剤や育毛サプリメントなどの活用など、AGAはその段階に応じて適切な対策を行うことが重要です。
進行がすすむと改善の可能性も少なくなり、かつらや増毛、植毛といった手段しかなくなってしまいます。
また、育毛シャンプー、育毛剤なら何でもいいかというと決してそうではありません。AGAによる抜け毛・薄毛が疑われるのであれば、AGAの原因にアプローチする成分を含んだものでなければあまり意味はありません。
AGAは、AGAの元凶と言われるDHTやそれを産出する5αリダクターゼなどが原因ですのでそれらの働きを抑制する成分を配合しているものを選ぶようにします。
参考:AGA対策を施した育毛剤