ここでは、フケの種類とその原因・予防・対策、またフケと抜け毛・薄毛との関係について解説します。
フケの種類
フケには、大きくサラサラとした「乾性のフケ」と粘っこい「脂性のフケ」があり、通常、頭皮の状態と同じタイプのフケが発生します。
頭皮は皮脂量の多さによって乾燥肌、脂性肌、通常肌の3つに分けられており、乾燥肌の人は乾性のフケ、脂性肌の人は脂性のフケが発生しやすくなります。
乾性のフケは、白く細かく乾いたフケで、頭を掻いたりしたときにパラパラと落ちるのが特徴です。
脂性のフケは、比較的大きいかたまりでベトベトと湿り気があり、頭を掻いた時に爪の中に溜まりやすいのが特徴です。
フケは、新陳代謝によって古くなった角質細胞がはがれ落ちるものです。基本的には避けることができないものですが、頭皮にフケが目立つようになったり頭皮からフケが剥がれ落ちたりするのが目立ってくるとフケ症と呼ばれます。
フケ症は、医学的には頭部批糠疹と名付けられています。
フケ症の原因としては、一般的にホルモンの分泌や栄養バランスの異常、睡眠不足、細菌の異常繁殖等が疑われます。
フケが増えることはホルモンの分泌や栄養バランスの異常、睡眠不足、細菌の異常繁殖等が原因と考えられることから脱毛・薄毛の前兆といわれています。
フケの原因と予防と対策
フケには「脂性のフケ」と「乾性のフケ」との2種類のタイプごとに、それぞれで適切な対策をとる必要があります。
脂性のフケの原因と予防・対策
フケ症で悩む方はこちらの方が多いようです。
脂性のフケは、癜風菌(でんぷう菌:マラセチア菌)という菌が過剰に繁殖しているのが原因です。癜風菌は常在菌ですが異常に繁殖するとフケ症になります。
癜風菌が異常繁殖する原因は、皮脂や汗が多く発生しているためで、脂っこい食生活やストレスなどによるホルモンバランスや自律神経の乱れが原因の一つと考えられています。また、シャンプー選びの間違いなどによっても起こります。
脂性のフケは毛穴に残ることで発毛を阻害することになりかねないので注意が必要です。フケが微生物のえさとなって繁殖し、炎症を起こして脂漏性脱毛症に発展するケースもありますので、そうなる前に毎日のケアが重要です。
脂性のフケ対策は、毎日のシャンプーや、生活習慣や食生活の改善が重要になります。洗浄力の強いシャンプーは避け、低刺激で程よい洗浄力のあるアミノ酸系シャンプーがオススメです。
食生活では油分を多く含む食品は避けたりビタミンBを豊富に摂取することなどが重要となります。ビタミンBはストレス予防にも繋がります。
乾性のフケの原因と予防・対策
乾性のフケは脂が少なく乾燥状態になって発生するフケです。
乾性のフケは、頭皮が乾燥して剥がれ落ちた角質です。特に空気が乾燥している冬に症状が出やすくなります。
ホルモンバランスや自律神経の乱れが原因と考えられていますが、洗浄力の強すぎるシャンプーの使用などで皮脂を取りすぎることが原因となっている場合も多いようです。
この場合は、フケに対して過敏に反応し、過剰なシャンプーやゴシゴシ洗いをすることはよくありません。毛穴が炎症を起こして粃糠性脱毛症に発展する危険性もあります。
乾性のフケ対策は、日頃使うシャンプーを変えるだけで改善することも多いようです。洗浄力の強いシャンプーは避け、皮脂を取りすぎることのないよう刺激の少ないアミノ酸系洗浄成分のシャンプーなどを使うことが有効です。
皮脂のバランスをとるためシャンプーの回数を減らすということも有効となる場合があります。
乾性のフケの場合も、生活習慣や食生活の改善が重要になることは言うまでもありません。フケ症は生活習慣や食生活の改善や正しい頭皮ケアを実践すれば、殆どが改善していきます。
フケと抜け毛・薄毛の関係
脱毛症の中には、フケによって引き起こされるものがあります。脂漏性脱毛症と粃糠性脱毛症がそうです。
脂漏性脱毛症
脱毛症で悩む方の約1%程度と極めてまれですが、皮脂で塞がれた毛穴周辺で頭皮の常在菌が異常繁殖し、その影響で毛根部近くまで炎症が及んで髪が抜け落ちるという脂漏性脱毛症となるケースがあります。
改善を試みて脱脂力の強いシャンプーを使用すると、かえって皮脂の不足を補おうと皮脂の過剰分泌を招き、逆効果となる場合がありますので注意が必要です。
適度な脱脂力で刺激が少なく頭皮に優しいアミノ酸系の洗浄成分を使用した育毛シャンプーなどで頭皮のケアをすることが大事です。
粃糠性脱毛症
乾性のフケでは皮脂の取りすぎによって頭皮が乾燥し、毛穴が炎症を起こして脱毛を促進したり、フケが毛穴の周辺を塞ぎ、バイ菌などが繁殖して毛根が炎症し、脱毛に至る粃糠性脱毛症になるケースがあります。
この場合もフケを取り除こうとシャンプー等で過度に脱脂すると体が不足した皮脂を過剰分泌し、かえって悪化させてしまいかねません。
まとめ
このようにフケの原因は頭皮の乾燥や常在菌の異常繁殖によるものです。
いずれにしてもフケが多くなるということは頭皮の環境がよくないということなので、今後、脱毛・薄毛に発展していく前兆の可能性があります。
生活習慣や食生活、シャンプーなどのヘアケアを適切に行い頭皮環境を整えてあげる必要があります。特に頭皮の乾燥は、お使いのシャンプーやシャンプーの仕方により大きな影響を受けますのでシャンプーとその仕方を見直すことでかなり改善するかもしれません。